牛来コラム
出逢いってすばらしい
さまざまな出逢いを通じて、得たり感じたことを、牛来ならではの視点で書き綴るコラム。 仕事上だけでなく、人間として大切なメッセージを伝えています。
2012.01.11
■「赤」の年
今年は何色が流行るのかと、ファッション業界で働く娘に聞くと、
「原色」だという。パステル人気は続くけど。という前置きあっての話だが、正直、頷けた。
世知辛い昨今、癒しを求め、淡いパステルカラーでホッとしたい。
という心理は変わらず続くのだとは思うが、敢えて、今、必要なのは、
赤や青や黄のはっきりとした「強い色」なのだと感じている。
以前、カラーアナリストに色について学んだ時、
「"成功"と聞いてイメージする色は?」
と聞かれ、迷わず「赤」と答えたことがある。まだ独立前で、販促プランナーとしての一歩を踏み出したばかりの頃のことだ。
目標に向け、果敢に前進していく熱いイメージを、私は「赤」の中に感じたのだった。
「原色」の中でも、「赤」。
政治や経済など難しいことはよくわからないが、今年は敢えて、そんな「強い色」を意識し、
気持ちを奮い立たせることが、必要とされているのではないか。
待っていても、救われない。
誰かが、と期待しても、変わらない。
昨年の震災で学んだことは多いはずである。
癒しを求めたい時はあるけれど・・・
私たち一人ひとりが、自らの意識を変え、立ち上がる。
今は、その時なのだと、私は思う。
【gorap語録】
ぬるま湯に、浸かりすぎてはいないか。
2012.01.25
■旅立ち
辰年。
年男の息子が、新年早々話があるというので何かと思ったら、突然、「東京に行く」と言う。
中学依頼、欠席がちで学校から呼び出されたり、何かと心配の尽きない愚息である。
「半端な気持ちで、ただラクな方へ逃げたいだけじゃないのか?」
咄嗟にそう思ってしまったが、数日経って今、反省している。
思い起こせば20数年前・・・2人目なので少しはラクだろうと臨んだせいか、息子の出産は、結構キツかった。
首は出ているのに肩がひっかかって、なかなか出てこない。
「はい、しっかりいきんでっ!」と助産婦さんに促され、いきもうとするけど、痛みと疲れでなかなか力が入らない。
「お母さんが頑張らんと、赤ちゃんが苦しいんよ!」と言われ、ハッとして力を振り絞り、必死で産んだのだった。
人見知りが激しくて、3歳までは随分と手がかかった。オシメもなかなかとれなくて、幼稚園にちゃんと行けるかと心配したものだ。
そんな息子が、小学校のマラソン大会では、いつも1位。
仕事だからと一度も見に行かない私が
「最後だからぜひ行ってあげて」
と近所のお母さんに言われ、6年生の時に初めて応援に行ったら、そこには、2位に僅差で追い上げられ、必死で走る息子の姿があった。
ふだんは大人しい息子が、追い抜かれまいと、苦しそうに顔を歪めて必死で走っている。
その姿を見て、胸が熱くなった。
あんな息子を見たのは、後にも先にもこの時だけ。
初めてだった。
そうだ、この子には、そんな強さがあったじゃないか。
周りから無理だろうと言われながら、信じて事業を進めてきた私が、可能性を信じられなくて、どうするのだ!
意識の中では信じていても、無意識の中でつい疑ってしまった、自分の心の底にある思いを恥じた。
今、ここに在る、ありのままの姿に、無条件で感謝する。
そして、彼を信じ、送り出そう。
幼い頃の息子が、私に教えてくれた。
【gorap語録】
無条件で、信じることが、始まり。
2012.02.01
■営業の基本
自分を覚えてもらうには「3回会う」ことだと、会社員時代に学んだ。
いただいた「名刺は財産」。そして、「名前は高い」と教えられた。
会社の資料は一式、常に持ち歩き、名刺は名刺入れ以外にも、バッグのポケット、手帳、財布の中に入れて万一切らした時のために備えた。
独立したばかりの頃は、異業種交流会や人の集まるところに出掛けては、とにかく多くの人と名刺交換をし、礼状を送ることを重ねた。
しかし2度目にお逢いした時に、私のことを覚えているとは限らない。
まずは名前を名乗り「先日は、ありがとうございました」と声をかけ、場合によっては、再度、名刺をお渡しする。
相手からすると、大勢の中の一人である。
一度で覚えてもらえる方が稀なのだと理解し、覚えてもらえていないことを前提に考えれば、おのずとやるべきことは見えるはず。
先日、街中ですれ違った男性に「あ、ゴライさーん!」と手を振られ、思わず手を振り返した。が、いくら考えても、誰だか思い出せない。
なんだか悪いことしたなー。。。とずっと気になっていたら、後日、クラブの交流会で再会し、改めて名刺を頂いて思い出した。
もう、決して彼の名前を忘れることはない。
名前は覚えるのも大変だが、覚えて頂くのはもっと難しい。
広島SOHO'クラブの参加者は、延べ5500人を超える。
なかなか全員を覚えるのは難しいが、先日、急いで届けねばならない書類があり、社内では誰も都合がつかず咄嗟に浮かんだのが、クラブに何度か参加されていたバイク便の会社社長の顔だった。
正直、彼に仕事をお願いする機会があろうとは思ってもいなかった。
しかし、依頼することになった。
「何時」、「誰と」、「何が」仕事に繋がるか、わからない。
誰彼と区別することなく、また、一度で諦めることもなく、こまめに存在をアピールし続けること。
それが、営業の基本なのだと、私は思う。
【gorap語録】
結果は、思いがけないところで生まれる。
2012.02.15
■はじまり
瀬戸内海の小さな島の町を紹介する一冊の帳面。
大阪のコピーライターの女性が、生まれ育った因島の町(重井町)を自分の目線で伝えた冊子「しげい帖」をきっかけに、全国から340組のクリエイターが参加する「myhometownわたしのマチオモイ帖」展が東京で開催された。
クリエイティブネットワークセンター「MEBIC」のコーディネーター堂野さんから「因島の町がはじまりだった。ぜひ広島のクリエイターにも参加して欲しい」と協力依頼を受け、声をかけた中から、クラブの現代表池田奈都子も参戦!?
2人でミッドタウンでの展示イベントにも参加して来た。
会場には、デザイナー、写真家、イラストレーター、映像作家などが表現した小冊子 293作品、映像51作品がズラリ。
各地のキーマンたちとクリエイティブクラスターミーティングで語り合い、レセプションパーティでは、若いクリエイターたちとも大いに盛りあがった、パワフルな夜。
後で知ったのだが、展示用の白木の机は、若い設計士のクリエイターが作製してわざわざ大阪から持ち込んだもの。冊子の台は、プラスチックでは無機質だからと、前夜、運営に携わるクリエイターたち皆で、厚紙を一つひとつ切って創ったお洒落なもの。
彼らがこだわったその空間の中、一つひとつの作品からは何か温かい不思議な力がにじみ出ていた。
はじまりは、一人。
そこに共感する人が、また一人。
繋がれば、大きな力になる。
【gorap語録】
まずは、やってみる。
2012.03.07
■ご褒美
先月、フロントが企画したソアラビジネスポート見学会への参加者がなんと「0」だったことで、
「どうしたら来てもらえるんだろうと、考えていたら悲しくなって・・・」と、スタッフが涙ぐみながら打ち明けてくれた。
常に明るい笑顔を求められ、そんな悩みなど表に見せない彼女たちの胸の内を思うと、愛おしくて、私も目頭が熱くなった。
確かに、見学会当日の参加は無かった。
しかし実は、2月下旬からなぜか問い合わせが立て続けに入り、何人ものかたが見学に来てくださった。
その時は、特に理由は思い当たらなかったが、彼女たちの話を聞いてわかった気がした。
きっと、彼女たちの思いが伝わったのだ。
人を集めようと一生懸命に知恵を絞り、自分たちのできる限りのことをし、これ以上、何をすればいいのか手の尽くしようが無いと思えるまで頑張った、その思いが天に通じたのだと、私は思う。
頑張ってがんばって、本当に自分の力を出し切った人には、神さまはちゃーんとご褒美をくれる。
会社を経営していると、苦しい時は何度もあったが、その都度、私も救われた。
そのたびに、必死で考えて、出来うる限りの手を尽くし、これで駄目なら諦めもつく、というギリギリのところまで頑張ったら、不思議とひょんなところから、思ってもいなかったようなカタチで救いの手が伸びて、助けられる。
「お金は後からついてくる」とはこういうことか・・・と、都度感じてきた。
手抜きをして「棚からぼた餅」は、決して無い。
その勘違いを、するか、しないか、それも経営センスのうちである。
【gorap語録】
努力するから、報われるのだ。
2012.03.21
■学び
姉夫婦と暮らす母から、何度か電話がかかっていたが、つい後回しにして深夜になってしまった。きっといつもの、「どこか食事にでも連れて行ってほしい」という電話だろう。
翌日もかかっていたので折り返してみると「昨日は、お誕生日じゃったね。おめでとう」と言われ、親不孝な娘だと我身を反省した。
昨年の誕生日に、知人から頂いたお祝いメールに、「ご両親に感謝する日ですね」と書かれていて、「そのとおりだ!」と共感し、そんな考え方をぜひ見習おうと思ったばかりだったのに。
人生、反省の連続である。
今年の誕生日には、ある人からこんな言葉をかけていただいた。
「お誕生日はね、こうしてまた1年、無事に過ごせたことに感謝する日でもあるんだよ」と・・・
ふと立ち止まって、考えさせられる一言だった。
十数年前の、臨死に近い体験を思い出し、一瞬に、目の前のいろんな悩みが、とてもちっぽけなものに思えた。
今、ここにある、ただそれだけで幸せなのだ。
「ありがたい」そう思うと、じわっと温かいものがこみ上げてきた。
意識していなければ、現実の中で、つい見失いそうになる大切なもの。
それを思い出した瞬間。
【gorap語録】
人生、「一歩下がって、二歩進む」の繰り返し。
2012.04.04