牛来コラム
出逢いってすばらしい
さまざまな出逢いを通じて、得たり感じたことを、牛来ならではの視点で書き綴るコラム。 仕事上だけでなく、人間として大切なメッセージを伝えています。
2001.08.22
■不思議
演劇を観た帰りになぜか気になって、引き寄せられるようにして入ったラーメン屋。たった1度、半年以上も前に訪れたその店を、フラっとまた訪れた。
店主の、頑固な中にあたたかみのあるその澄んだまなざしが忘れられず、前を通るたびずっと気になり続けていたその店。
暖簾をくぐると、半年前のあの瞳がわたしたちを迎えてくれた。「ねぎチャーシューとラーメン」
「ねぎチャーシューとラーメンね」
ぶっきらぼうな店主の言葉が、心地よい。
ツレが口火を切った。
「ここ来るの、2度目なんですよ」
カウンター越しに店主が言う。
「痩せちゃったんじゃないん?」
「え゛っ!?覚えとってんですか?!!!」
ツレの声のトーンがあがり、表情が一気に明るくなる。
「前はそこの隅に座ったじゃろ」
なんと店主は、半年も前にたった1度来た客をちゃんと覚えていてくれたのだ。
「また悩んどるんですよ・・」
声のトーンが落ちる。
ツレは、半年前のあの日のように、きっとまた仕事の悩みを聴いてもらえるという期待感を持って、再びここへ来たのだった。
今日も店には店主と私たちの3人だけ。
店主はツレの話にじっくりと耳を傾け、受け止め、言葉を返す。私が言いたくても身近すぎて言えずに躊躇していた言葉を、店主が代弁してくれている。その言葉が一言ひとこと、ツレの胸にズシンと響いているのが解る。
傍でただ黙って頷きながら、私は感じていた。
不思議・・・。
たまたま引き寄せられるように入った店で、なぜかその時必要な人と出逢い、初めて逢ったその人に心許して何でも話せてしまう不思議。そして思い出したようにフラ~っと訪れた人間を忘れないでちゃんと覚えていてくれて、こうしてまた必要な言葉をもらえる不思議。
出逢いは絶妙なタイミングで訪れる。本人の予期せぬ時に。
そしてそれはきっと全て必然。出逢うべくして出逢えたのだ。
追い求めている時には逃がしてばかりなのに、ふと肩の力を抜いて「ま、どうにかなるさっ」と自然の流れに身を任せてみたら突然訪れるのが、出逢いのタイミング。必要な人も、必要な仕事も、必要な喜びも、悲しみも、悩みも。今、目の前で起こっている全ての経験は、自分にとって必要で、必然のもの。
不思議と思える出逢いのタイミングに逢うたび、そう思わずにはいられない。
【gorap語録】
全ては必然。自然に従えば道は見えてくる。
2001.09.05
■元気
逢うだけで、こちらまで元気になれるという人がいる。きっと本人の真摯で前向きな生き方が、オーラとなって周りに伝染するのだろう。そんな人とは一緒にいるだけで楽しいし、話をしているとこちらまで「がんばろう!」という気持ちになれるから不思議だ。
前向きに新しいビジネスにチャレンジしていくベンチャー起業家たちにも、そんなプラスのパワーを感じる。
ビットバレー五空(ごくう)。ネットビジネスを通して広島を盛り上げようとい起業家たち10名が運営委員として活動しているNPO的団体で、2000年3月に発足して以来かれこれ1年半になる。もともとは、ソフトバンクの孫正義氏をゲストに開催した渋谷ベルファーレのITビジネス交流イベントが、全国に飛び火して広がった。渋谷の「渋い(=ビット)」と、PC単位の「bit(=ビット)」、そして米国の「シリコンバレー」から取った造語で、「五空」には、中国5県が繋がっているという意味を込めている。
なぜか縁あってその発足メンバーに加わった私だが、仲間の運営委員たちと逢う度に感じるのは、そのスピーディな動きと決断力、自信、そして「元気!」。一日24時間が足りなくて困るくらい忙しい人間ばかりなのに、その多忙な仕事の合間をぬって五空の活動に時間を当てている。
HP開設、メルマガ発行はもとより、月に1度のホットスタイルカフェ(交流会)やセミナーの開催、参加者250名を超える年2回の交流イベントの開催、他地域のビットバレーとの交流など、その活動は幅広い。忙しくてなかなか逢えないメンバーだから、大きなイベントを仕掛ける時は、短期決戦!無駄のないミーティングで企画を練った後は、各自の得意分野をそれぞれが担当し、ツール類の作成、告知、集客と一丸となってガンガン進めていく。そこに生まれるパワーは、イベント当日にピークとなり、集まった人たちによって更に大きなエネルギーとなって会場全体を渦巻く。不況と叫ばれる中、広島のどこにこんなパワーが潜んでいたのだろうと、毎回驚かされるほどの「元気」を、そこに来た人全てに感じるといっても過言ではない。
【gorap語録】
朱に交われば赤くなる。元気になるコツ、それは元気な人と交ること。(^^)
2001.09.22
■連鎖
「目の前の人に親切にしなさい。そうすれば、その人が後ろを向いて、あなたのことを宣伝してくれる」
そうわたしに教えてくれた人がいる。広島で長く続いている異業種交流会の世話人S氏だ。
人の為に力を貸すことを惜しまず、それを押し付けることもなく、さらりと自然体で出来てしまう。そんなS氏を慕う人は少なくなく、300名もの会員がS氏の会に登録している(3000円/月会費)。
S氏から学んだことは数多いが、中でも、クイックレスポンスで返ってくるたった数行に込めた言葉には、いつも唸らされる。わたしがクラブを立ち上げる時に、「言い忘れた」と言って頂いたメールが、冒頭に挙げた「目の前の人に・・・」の言葉である。
クラブをやっていると、様々なかたの接触があり、その対応に費やす時間も少なくない。時には返答に困るような相談メールを頂いて、一人ひとりに親身になって返信もする。忙しい仕事の合間をぬって限られた時間の中で、それを続けるには、正直言って辛い時もある。
そんな時、いつもS氏の言葉を思い出し自分にエールを送る。
「今やっていることが、世の中に必要とされていて正しいことならば、きっと良い方向へ道が開ける」と。
そう信じてやっていると不思議なことに、必ずその報いが返ってくる。協力者が現れたり、やりたかった仕事の依頼がひょっこり入ってきたりetc。それは必ずしも本人からではなく、どちらかと言えば、思いもかけない「ひょん」なところからのことが多い。
どこかで神様が見ていて、ご褒美をもらえたような、なんだかそんな感じだ。(笑)
たとえば、利益率の低い仕事をしていて、そんな仕事に限ってクライアントからの注文が多く、泣きたくなるような時もある。なんでこの人のためにここまでしないといけないの?とか思いつつも、でも一生懸命誠実にこなしたその時、思いもかけないところから、とても条件のいい仕事がふいに湧いてきたりして、そこにある種の"連鎖"を感じる。
世の中、きっと全てはどこかで繋がっている。
ここでしたことが、目に見えないところで伝わって行って、どこかでまた自分に返ってくる。
この目の前の仕事に精一杯、自分が貢献すればするほど、きっとどこかでそのご褒美が返ってくる・・・そう考えれば、たとえ辛くとも頑張れる。一見、人のためと思えることも、それは必ず自分に返ってくる。そんな連鎖を信じて、今日この時を誠実に生きたい。
【gorap語録】
人のためにしたことを「自分のため」と言えた時、あなたはもう神様を味方にしている。
2001.10.03